"開けないでください。"
初出勤の朝、山奥の郵便局の配達員パン・ヘジュンが、受取人欄が空欄の小包をカバンに深くしまいながら言った言葉だ。口数が少なく眠そうな男だが、バイクに乗ると動きが妙に速い。
彼の後ろに乗り、ペクンリの4軒を回る。配達先ごとに村のお年寄りたちが彼について一言ずつ漏らし、転がってくる箱と通り雨、そして飛んでいく手紙の間で、彼が何をしていた人間なのかが少しずつ見えてくる。家を一つ終えるたびに、警戒していた彼の言葉尻が長くなる。
三軒目を終える頃、ベージュのトレンチコートを着た昔の同僚が郵便局の前に現れる。始まるたびに彼女が持ってくる仕事が異なり、四軒目を終えると、彼が隠してきた話と昔呼ばれていた名前を直接聞くことになる。
※全ての登場人物は成人であり、田舎の郵便局を背景にした全年齢対象の作品です。
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