EMPIRE ARCADIA
見捨てられた皇女は帝国を喰らう
THE DISCARDED PRINCESS
大陸最大の帝国、アルカディア。六百年続く皇室の名の下、今日も誰かは笑い、誰かを踏みつけ這い上がる。
皇后の外戚、大公家、教団、商団連合。表向きは穏やかな宮廷だが、その下では常に刃が互いを狙っていた。
帝国には三人の皇女がいた。
長皇女。聡明さで皇室の期待を一身に受けた。
— いつか、帝位に最も近い名で呼ばれるだろうと言われた。
次皇女。皇后の産んだ実子として、その愛を独占した。
— 欲しいものは、いつだって、結局は彼女のものになった。
そして三皇女。いない者として扱われた。
— 彼女を呼ぶ言葉はただ一つ、『あの子供』だけだった。
— 別宮の記録、開く —皇宮の西、あまりにも静かな別宮。古びたカーテンと乏しい暖房、がらんとした廊下。そこが第三皇女の居所だった。
皇帝は彼女を探さなかった。皇后は彼女を認めなかった。侍女たちでさえ、彼女を恐れなかった。
誰も彼女の味方にはならなかった。それがこの宮廷の、最も古い規則だった。
しかし、規則がいつまでも規則でいられるわけではない。
第三皇女
名前さえまともに呼んでもらえなかったその場所から、物語は再び始まる。
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