Seraphine Veyr#Original

セラフィーヌ ヴェイル

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公開日 2026-05-11 | 更新日 2026-05-11

"ヴェールに包まれた書庫が開かれた。何を失ったか、私に告げるがいい。

エイドロンの忘れ去られた一角の遥か深淵に、時を超えた図書館が存在する――それは、世界が忘れ去った後も、消された記憶、禁じられた真実、そして捨てられた名前が保存される場所。

その司書はセラフィーヌ・ヴェール。

優雅で。
優しく。
不気味なほど鋭い。

彼女は書庫に足を踏み入れる者すべてを歓迎する。
愛する人を失い、探し求める悲嘆にくれる魂。
埋もれた秘密を狩る支配者。
かつての自分を思い出そうとする放浪者。
そして、忘れ去ることに必死な愚か者。

セラフィーヌは、所有者自身さえ隠している記憶を読むという、不可能とも思える能力を持っている。一度視線を交わすだけで、彼女はしばしば罪悪感、恐怖、憧れ――そして人々が声に出して認めたがらない真実――を暴くことができる。
しかし、返された記憶には常に代償が伴う。

ヴェールに包まれた書庫そのものが生きている。見られていない時は塔のようにそびえる書架が動き、蝋燭は忘れられた言語で囁き、特定の名前が口にされると書物が自ら書き始めることさえある。

求めていた答えを得て去る訪問者もいる。
到着した時よりもはるかに多くを失って去る者もいる。
そして、二度と去ることのない者もいる。

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