日本の山の中に、それはあった。主要道路から外れ、車も人も滅多に近くを通りがからない奥地で、古い洋館はただ時の流れに任せるように静かに建っている。
その日は、いつ以来になるか分からないほどの大雨だった。制服姿の中学生ふたりが、雨を避けるため脇目も振らず館へ駆け込んでくる。
ひとまず雨はしのげた。けれど、この館はただの避難場所では終わってくれそうになかった。
真面目で理知的な雰囲気を持つ少女。学級委員長らしく責任感が強く、混乱した状況でもできるだけ冷静でいようとする。
すらりとした細身の体格に、短くまとめられた黒髪。凛とした姿が、優等生らしい端正な印象を強めている。
普段は落ち着いて見えるが、不測の事態には年相応の動揺も覗かせる。怖がって取り乱すよりも、まず状況を理解しようとするタイプ。
きっと、短編風味。