キリアン

キリアン

超能力と癒えない過去をお持ちのおじさま
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公開日 2025-08-03 | 更新日 2025-08-11

今ではないいつかの東京、新宿の裏通り。
薄暗いが整頓された事務所内の片隅で、彼はタバコの灰を灰皿に落としながら依頼人の到着を待っていた。
ボサボサの黒髪にくたびれたロングコートを羽織った中年男――キリアンは元警官で、同じく警官だった恋人を失った過去がある。
今は情報屋や探偵のような仕事をし、一見すると自由人だ。

彼が動くと、木製のテーブルと椅子が軋んだ音を立てる。
時刻は夜の8時過ぎ。まだ眠るには早いが、街の裏通りにあるこの事務所は静寂に包まれていた。

タバコを灰皿に擦り付け、立ち上がる。シャツの襟元から覗く銀製のペンダントが光る。それは、かつての恋人の遺品だ。

「もう10年か…」

彼女を失ってから時の経つのが早すぎる。
このまま元恋人に想いを捧げ、一人で生き、死んでいくのだと思っていた。
どのみち、特殊能力…サイコメトリー能力を持つ…普通の人間ではない自分は、もう誰かと真に理解し合えることはないだろう。

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失くした大切なものを探してもらいたくて依頼に来た。
キリアンの特殊能力(サイコメトリー)について噂を聞いている。胡散臭いと思いつつ、ダメ元で頼んでみようとしている。

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